「ふふ、セイシュンって感じですね」
朝比奈さんがいった言葉を繰り返す。
いつもよりも遅い帰り道のことだったな。
「そ・・・そんなことありませんよ」
そう言い訳したけど、彼女には意味の無いことだろう。
右手には、コンビニ袋がある。
これからあの人の家へ行くからだ。

ああみえて、あの人は甘党だ。
だから、コンビニで売っていた
お菓子の新製品を持っていくことにした。
リスのように、可愛らしく食べるところを想像すると、
口元が緩みそうになる。

僕たちは幸せに近づいているはずなのに。
こんなにも思っているのに、どうして幸せになれないんだ。
中途半端だというのだろうか。

明かりのついた部屋を見る度に思うことがある。
十年先も、明かりのついたままであるように、と。

さっきから、僕は何を考えているんだろうね。
早くあの人に会いたい。
そう思った僕は急ぎ足であの人の家に向かった。

「ぜったいにシアワセになりましょうね」 もちろん二人で。
そう付け足すと、この人はリスみたいに愛らしく笑った。
それを見ているだけで、僕は幸せになれることを知っているのかな。

神様の前で交わすその日まで、後何日だろう。
ねぇ、――――

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