「・・・もう朝か。」
ったく。なんて夢を見たんだ。
古泉が・・・俺のことを好きなんていうわけないのにな。
おれはそんなに古泉に好かれたいのか?
そういえば、夢の中で電話かけたよなと思い携帯を見る。
ん?メールが来てる。古泉からだ。何かあったのか?
『お前のことだ。
あのことを夢だと言う可能性がある。
だから、現実である証明として、
メールを送ってやる。
オレはキョンが好きだ。
そんだけだ。遅刻するなよ。』
あれが夢ではなく現実だっただと?
・・・いやいや、そんなはずない。
だが、夢にしては鮮明に覚えている。
古泉の体温、声色、表情。
そして・・・触れるだけのキス。
あれは間違いようがない現実だ。
「嘘だろ」
口元が緩みそうになり、慌てて支度をする。
いつもよりも早めに家を出る。
なぜって? なんか古泉がいそうな気がしたからだ。
「おはようございます」
オレの予想が的中し、古泉がニコニコスマイルで俺を出迎えた。
「朝からなんだ」
わざとらしく眉間に皺を寄せ、そう答える。
「一緒に行かないのか?」
一瞬、素の古泉になったと思ったら、また戻ってしまった。
「・・・うるさい」
そういいながら俺は古泉の側による。
んでもって、ゆっくりと歩き始めた。
「好きだ」
俺は聞こえないように呟いてみる。
「光栄ですね」
だが、隣にいる古泉に聞かれてしまった。
お前のことじゃないというつもりで、
口を開こうとすると、古泉がさえぎる。
「オレも好きだぜ」
表情は何時ものように笑っているのに声色だけ戻すな。
「だ、だれがお前のこと好きだって?」
「素直じゃないですね」
嬉しそうに声を出しながら笑い、俺の耳元に顔を近づける。
「そういうところも好きだけどな」
間違いなく顔が真っ赤になっている俺を見て、
古泉は面白そうに笑う。
・・・悔しくなった俺は仕返しに、
「一樹のバーカ」
名前で呼んだ。
するとニコニコと笑っていた古泉の顔が固まり、その場に立ち止まる。
「古泉?」
「・・・反則だろ」
古泉は顔を横にし、表情を隠そうとする。
・・・顔赤いぞ?
「いいもん見れたな」
「さっさと・・・早く忘れてください」
流石に人が多くなってきたからか素の古泉は引っ込んだ。
動揺する古泉なんて見れたもんじゃない。
この幸せがいつまでも続けばいいのにな。
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