「誰だ!」
俺は叫ぶ。此処は何処なのか分からない。
「僕は、貴方が―――ですよ」 お前は俺の知っている――じゃない!
「お前は誰なんだ!」
「何言っているんですか。 僕は・・・
 こ い ず み い つ きですよ?」
目の前のやつはそう答えた。古泉とは違う笑い方でだ。
違う。お前は、違う。違う!
「俺の知っている古泉一樹を返せよ!ハルヒ!」
これはハルヒの所為だと思い、叫ぶ。
「貴方の知っている古泉一樹が本物だと思っているのですか?」
こいつのその言葉で、目が覚めた。

「夢・・・なのか?」
それもそうだろう。古泉があんなこと言うはずないんだ。
・・・あんなことだと?
夢の中で何を言っていたんだ。・・・思い出せない。
ただ思い出せるのは、最後に言ったあいつの言葉だ。

「貴方の知っている古泉一樹が本物だと思っているのですか?」

なあ。俺の知っているお前は本当の姿、なんだよな。
「こい・・ずみっ」 俺は不安になり古泉の声が聞きたくなった。
だが、こんな夜遅くに電話しても、寝ているだろう。
嫌われるようなことはしたくない。
でも・・・。嫌われてもいい。
俺は古泉に電話をしないといけない気がしてならない。
携帯を取り出し、古泉に電話をかける。
三コールしないうちに、
「なんだ」
と電話に出た。
「夜遅くに悪い」
古泉が電話に出てくれたことに、
俺は声が震えそうになるほど嬉しかった。
「別にいい。まだ起きていたからな」
「・・・例の閉鎖空間か」
もしそうなら早々にきらないとならない。
「いや。本、読んでた。
 だからキョンが気にすることはない」
「そうか」
「で、用件は何だ」
閉鎖空間でないなら良かったが、
電話した理由をどうするべきか悩んだ。
言わないわけにもいくまい。
俺は正直に言った。
「バカか。そんなことで電話すんな」
という言葉を散々いわれた。
古泉の声を聞けば聞くほど、俺の不安が消えていく。
そして、一つ疑問が浮かんだ。
何故この疑問を持たなかったのか不思議でしょうがない疑問をだ。
この前のオセロの時だって、家に送ってくれた時だって、
その疑問をもっても可笑しくなかったはずだ。
とにかくその疑問を古泉にぶつけた。
「俺のこと、どう思ってあんな行動をするんだ?
 からかう為にそんなことやっているのか?」
「・・・外、見ろ」
そういわれ俺は窓から外を見る。玄関の前に人影がある。
俺は電話を切り、急いで玄関に行き扉を開ける。
そこには、
「よう」
古泉が居た。
「な・・んで」
動揺する俺を無視し古泉は喋った。
「世界の為に俺は自分の気持ちを伝えるのをしようとしなかった。
 だけど、無理だったみてーだ」
この前やった熱を測るように、顔を近づける古泉。
俺は唇に何かが触れるのを感じた。
「世界が崩壊しても構わねーくらい
 お前が好きだ」
その言葉に自分の耳を疑った。
俺は夢を見ているのか?
「まだそんなこと言うのか。からかってキスなんかしねぇだろ」
そういって、古泉は俺を抱きしめる。
「信じてくれ」
古泉の体温は外にもかかわらず、暖かい。
なんとなくだが心拍数が早く感じる。
どちらのかなんて、分からない。
俺は夢でないことを願いながら、目を瞑った。

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