あれから数日後。
俺たちSOS団はいつものように部室へと足を運ぶ。
一体、俺たちはどれほど暇人なんだろうね。
それはさておき。
今、大変な事態となっている。
どんな事態かというと、
何時も通りに本を読んでいる長門も、
美味しいお茶を入れてくださる朝比奈さんも、
トラブルを引き起こすハルヒも居ない。
つまり、再び古泉と二人きりである、ということだ。
どうなってる?
ハルヒは何も言ってなかったし、掃除当番でもないはずだ。
だから、活動目標がとてもじゃないが、
人に言えないようなSOS団の部室に来たのだが。
「今日は、皆さん遅いですね」
古泉も不審に思ったようだ。
「可笑しい・・・よな」
俺の問いかけにこくりと頷く古泉。
とりあえず俺はハルヒにメールする。
すると、『今日の活動は中止! 古泉君に言っておいて』
というメールが返ってきた。
そうならそうと言ってくれ。
変な心配するじゃないか。
俺はそれに返事をしたのち、古泉にこのことを伝える。
「そうですか。なら、今日は早く帰りましょう」
という古泉の案に、俺は賛成するか悩んだ。
・・・このまま古泉と居たい。って何考えているんだ。
「どうしましたか?・・・顔が赤いですよ?」
熱でも出ましたか?と言いながら顔を近づけて、
でことでこをくっつける。
古泉、更に顔が赤くなるようなことしないでくれ。
やめろ、と思っても体が固まって動かない。
「熱はないようですが、
途中で倒れたら困りますので送らせてください」
返事など聞く気がないのか、俺の鞄を持ちすばやく部屋を出る。
・・・なあ、気を使ってくれるのは正直言って嬉しい。
でもな、叶いもしない思いを増幅させるような真似、
しないでほしいのだが。
「涼宮さんが望む『古泉一樹』ならそうすると思いますよ?」
俺の考えていることを察したのか、古泉はそう言った。
「なら、本来のお前はどうなんだ」
声をひそめて言えば、古泉のニコニコ顔が
これ以上にないくらい深まった、と思いきや
すぐにその表情を崩す。・・・これで三度目だな。
「さあな。長門や朝比奈だったらしたかもな」
やっぱりな。そういうと思ったよ。
古泉が俺の肩に手をかける。
一体何をするつもりだ?
「・・・お前も本当に熱が出たなら、するぜ?」
俺の耳元で囁き、先に行く古泉。ってどういう意味だ。
どうしろっていうんだ。
心臓が激しく脈打ってるのが感じる。
とにかく、俺は古泉の後を追うのに専念した。
これは俺の当たって欲しくない予想でしかないのだが、
俺の顔は赤いままで、だ。
「それでは、これで」
あっという間に俺の家に着いてしまった。
古泉は早々と立ち去る。
「待ってくれ」
俺は思わず声をあげる。
引き止められた古泉は振り返り、
「どうしましたか?」
と問い掛けてくる。
「どうせ暇だろ。・・・上がっていかないか」
俺の提案に少し悩んだ後、
「すみません。これ以上貴方と居るとボロが出そうなので」
苦笑いを浮かべ、断る古泉。
「・・・そうか」
断れるだろうとは思っていたとはいえ、
やっぱ悲しいものだな。
「本当にすみません。では」
と言いつつ俺に近づく。
「またな、キョン」
そういって立ち去った。俺は手で顔を隠す。
なぜかというと、
素の古泉が今までにない柔らかい笑みを見せたからだ。
もしかしたら、俺をからかう為にやったのかもしれん。
それでもいいさ。
あの表情は、俺にしか見せてないだろうと思うと、
顔がにやけてしまうのを止めれなかった。
お陰で、家族に変な目で見られたがな。
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