「俺は古泉のことが好きだ」
なにいってるんだ。こんなことをいってなんになる。
相手は俺と同じ男だ。
もし俺がこいつ以外の男に「好きだ」なんて言われたら
俺はそいつから半径5mは離れるね。
・・・今はそんなことを考えている場合じゃない。
俺はつい言ってはいけないことを滑らしてしまった。
古泉は笑顔を崩したまま動かない。
当然の反応だ。
普通同姓から告白されて嬉しいやつは居ない。
そして、そのまま古泉はこういった。
「残念ながら僕はそんな趣味ありません」と。
「いや、悪い。忘れてくれ」
そう言おうとするが言葉が出ない。
俺は自分の思っている以上に、ショックらしい。
軽く放心状態で居ると
「ですが、本当の性格を見せても構いませんよ」
と古泉がそういった。
「本当の僕を見れば、あなたは幻滅するでしょうから」
いつもどおりの笑顔になりそういう。
その笑顔を一瞬で崩す。
眼力は鋭くなり、俺を見下ろす。
口元は一切笑っていない。
確かに古泉のはずなのに、 俺は動くことが出来なくなった。
古泉で無い気がしたからだ。
だが本当の古泉はこの顔なんだろう。
「オレは、あんたの事なんか好きでもない」
いつも聞いているあの無駄に爽やかな声色と違い、
低い声色で喋る古泉。
「怖いか?でも本当のオレはこういうやつなんだ。
 それでも好きだといえるのかよ」
古泉は、俺に問いかけた。
なんだろうな、この気持ち。
確かにさっきまでは怖かったさ。
だが今はどうか・・・。
嬉しい。どうしてだか嬉しいんだよ。
多分それは、
お前が俺に本当の自分を出してくれたからだろう。
それに、俺の気持ちはそんな程度じゃ動かない。
「お前がどんなやつでも俺はお前の事好きでいる」
俺はそういった。古泉は目を見開く。
まさかそんな風に言われるとは思ってなかったらしい。
俺の気持ちを甘く見たな。
自分だってこんな趣味あるとは思ってなかったさ。
いや、本来俺はこんな趣味は無かった。
男なんて好きになるはずが無かったんだ。
でも知らないうちにお前の事好きになったんだ。
今お前が考えている以上にな。
「そうかよ。・・・勝手にしろ」
「おい、それはどういう意味だよ」
俺は古泉の顔を見る。さっきよりも眼力は弱くなったが、
それでもいつもよりも強いままだ。
勝手にしろってどういう意味だよ。
・・・期待しちまうだろうが。
「あんたが誰を好きになろうとオレは関係ないからな。
 できれば、涼宮を好きになって欲しかったと思うだけだ」
そういった後、古泉は部屋を出て行った。
俺は一人残された。
もしかしたら、チャンスをくれたのか。
それとも、ハルヒを好きになれといいたいだけなのか。
俺にはあいつの考えていることは分からん。
だか、まだ諦めなくていいみたいだ。
俺は古泉の跡を追う。
追いついた時には
もう既に古泉はいつもの胡散臭い笑みを浮かべていた。
さっき見た古泉は夢だったのだろうか。そう考えた時
「さっきのは誰にもいうな」
と口止めされた。
これでさっきのは夢でないことが確定した。 「言うわけ無いだろ」
俺にしか見せてない姿を誰がいうか。

top back next